【プレビュー】J2 第15節 ザスパクサツ群馬×ジュビロ磐田

 5連戦を2勝2分1敗で終えたジュビロ磐田。今節から新たな5連戦に突入する。対戦相手は21位と下位に低迷するザスパクサツ群馬だ。昨シーズンJ3を戦った群馬はJ2昇格に導いた布監督がクラブを去り、奥野新監督がチームを率いる。(古参の磐田サポには懐かしい、かつて鹿島で秋田豊とセンターバックのコンビを組んだあの奥野僚右)

 アウェイに乗り込む磐田としては、新システムの3-4-3を導入してから1勝1分であり、何としても3ポイントを持ち帰りたいところ。前節金沢戦に勝利したものの1位長崎とは勝ち点10差、2位北九州とは9差と 上位陣に後れを取っている。自動昇格圏内に入るためには勝ち点80到達が目安となっており、磐田サポのblue tearsさん(@oldschoolbeing)がまとめたグラフによると、昇格ラインを下回っている事が分かる。

 J2リーグは前節で14試合が経過し、全日程の3分の1が終了した事になる。群馬の後は東京V・新潟・水戸・長崎・栃木と厄介な相手が続く。特に新潟・長崎は昇格を争う相手だけに、勢いを持って殴りこみたいところだ(両方、アウェイでの対戦)。それではザスパクサツ群馬との一戦を展望していこう。

 

過去の戦績

  • 通算成績は 2勝1分1敗 で磐田が勝ち越している(全てJ2での対戦)
  • アウェイでは1勝1分の負けなし
  • アウェイではクリーンシートも無得点も無く、必ず両チームに得点が生まれている

データ分析(群馬)

  • 4勝10敗 勝ち点12の21位
  • 4勝は山形・千葉・山口・岡山からの勝利で、現在2連勝中
  • 前節岡山戦で今季初のクリーンシート勝利
  • 得点11はリーグで2番目に少なく(磐田は22)、得点パターンで最も多いのがセットプレー絡み(36.4%)
  • 失点27はリーグワースト(磐田は15)で、失点パターンで最も多いのがセットプレー絡み(25.9%)、次いでクロス(22.2%)となっている
    #1

予想スタメン

 予想スタメンは割愛する。過密日程が本格化する中で新たな5連戦に突入するタイミングであり、メンバー構成が読めない。そこで、メンバーではなくシステムについて考えてみたいと思う。

 磐田は過去2戦と同じく3-4-3で、群馬は4-4-2と予想。群馬のスタメンは予想つかないが、FWの林 陵平・大前 元紀、MFの宮阪・岩上あたりが名を連ねると磐田としては厄介な事になりそうだ。林はロングボールのターゲットになれるし、大前は運動量こそ少ないものの足元がある選手。宮阪・岩上は反町体制の松本山雅でプレースキックを任された選手なので、セットプレーだけでなく正確なパス供給にも注意が必要。

試合のポイント

 群馬は前述のとおり4-4-2を採用するものと考えられる。守備では極端なハイプレスを行わず、ミドルゾーンで構えてから迎撃に出る。攻撃では林や大前といったJ1経験者の特徴を活かし、ロングボールを中心に相手のエリアに進入する。群馬の狙いを踏まえつつ、ポイントになりそうな点を具体的に述べていこう。

※図に登場する選手名は両チームともに前節出場した選手であり、予想スタメンではありません

① 噛み合わせ

 まずは、両チームの噛み合わせを確認しよう。局面としては磐田のボール保持が多くなると考えられるので、磐田の保持・群馬の非保持を以下の図で示す。群馬は前プレスのスイッチを入れた時はサイドハーフが対面のHVにアタックする場合もあるが、基本的には以下の配置で磐田のビルドアップを迎え撃つだろう。

② 数的優位でボールを狩る群馬の守備

 磐田のビルドアップに対して群馬はミドルゾーンでブロックを組むと思われる。群馬の北九州戦と岡山戦を見た限り、磐田のビルドアップ隊に対してHVの球出しを阻害するのではなく、HVからWBにボールが入ったところを人数かけて奪う形を狙うはず。その際、逆サイドのCHもボールサイドに投入して数的優位を確保。これによってボールを奪う狙いだけでなく、磐田のDH経由でのサイドチェンジを阻止してくるだろう。(下図参照)

 磐田としては、数的不利な状況でも質の優位性を活かして突破できるかどうかが一つポイント。それから、もう1つの形として逆サイドに出来るスペースの有効活用も狙っていきたい。前述のとおり、群馬は逆サイドのCHもボールサイドに加わるため元の居た位置にスペースが出来やすい。サイドからのビルドアップが詰まったら、このスペースにボールと人(上原や大森)を送り込んでからの前進も狙っていきたい。

③ 人への意識が強い群馬の守備

 続いて、押し込まれた際の守備の仕方について述べる。相手の攻撃をミドルゾーンで食い止めきれずディフェンシブゾーンまで押し込まれた際の対応であるが、相手のサイド攻撃に対して主に2つの方法で対応しようとする。1つ目はサイドハーフが大外の選手に付いて行くやり方。群馬としてはDF4枚は極力ペナルティーエリアの幅から動かしたくないため、サイドをえぐられたら基本的にはこのやり方で対応するだろう。磐田としてはサイドハーフが居なくなって出来るスペースを活かしたい。(下図参照)

 もう1つが、ボールを持った大外の選手に対してサイドバックが対応する形。サイドハーフが既に誰かをマークしている場合など、やむを得ない時にはサイドバックが大外の選手にアプローチする。この時、チャンネル攻略されそうな場合はサイドハーフが付いていく約束になっている。磐田としてはチャンネルランで抜け出せば そのままクロスを狙えるし、サイドハーフの守備によってクロスが難しければ ボールを循環させてサイドハーフが元の居た位置に出来るスペースを上手く使いたい。(下図参照)

④ ロングボールと少ないタッチで突破を狙う群馬の攻撃

 群馬の攻撃は「データ分析(群馬)」で述べたとおりセットプレーが得点源になっているので、磐田としては出来るだけセットプレーを与えないようにしたい。群馬のボール保持に関しては、正直そこまで驚異的な形は見えなかったがもちろん油断は禁物。この記事では狙いが見えた2つの形を紹介する。

 1つ目は、空中戦に強いFWが出場している場合に多用するロングボールを使った形だ。北九州戦と岡山戦でその役割を担っていたのが林 陵平。186cmの身長を活かしてCBにマークされても簡単には競り負けない強さを持っている。セカンドボールを相方のFW(大前)が拾って前方に展開する形が多く見られた。磐田としてはCBがロングボールを弾き返すこと。そして、例え競り勝てなくてもセカンドボールを相手に拾われないようにしていきたい。(下図参照)

 2つ目が地上戦である。左SHの加藤(7番)からはドリブルが得意そうな雰囲気を感じたが、それ以外の選手の個人能力はそこまで高くなさそうである。そのため、地上戦を展開する場合は独力での突破ではなく、ワンタッチパスやワンツーといった複数人のユニットを形成して集団での突破を狙う形が何度か見られた。磐田としてはマークをハッキリ厳しくして群馬の前進を阻害したい。(下図参照)

 ここまで述べたとおり、基本的に群馬はシステムを変えずに4-4-2を維持したまま攻撃を行う。しかしながら、岡山戦ではボール保持時に可変する形も見られた。CHの1人がDFラインに落ちて疑似的に3バックを形成。3-1-4-2となって右CBからハーフスペースを使ったビルドアップを行い、サイドを崩してクロスから大きなチャンスを作ったという流れ。まさに4-4-2を使っていた頃の磐田が狙っていた形だ。試合を通して多用される事は無かったが、磐田戦でも繰り出してくるかもしれないので要注意である。

 という訳で、下位に低迷するとはいえ油断ならないザスパクサツ群馬との一戦。不調を抜け出すキッカケを見つけた小川航基に、初ゴールを決めたルリーニャ、自身3点目を決めた中野誠也と攻撃陣の爆発を再び見たいところ。また、3-4-3を導入してから2試合連続でクリーンシートを達成。守備面でも確実に成果を出せているので、3試合連続のクリーンシートに期待したい!


[引用資料]

#1 Football LAB

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